沈黙の春ー生と死の妙薬ーを読んでみた感想

「沈黙の春」は1962年に出版された本のタイトルである。

アメリカのレイチェル・カーソン女史が化学薬品の使用に警鐘を鳴らすことを趣旨に執筆した。

1972年の国際人間環境会議(通称ストックホルム会議)の開催におけるきっかけとなるなど、人類が環境保護活動を始める要因を作ったとされる。

 

当時のアメリカではわずか2,3種類の人間にとっての害虫を滅するために殺虫剤がところかまわず撒き散らされ、東京ドーム13万個分の土地にスプレーを噴射したり、市街地で人々が普通に生活している上空から殺虫剤を浴びせたりしたことなど驚きの事例を文中で紹介している。

本来の標的である害虫だけではなく多くの魚や鳥、人が飼っていた猫にいたるまで殺虫剤が大きな被害を与えていたことなど、現在の日本で生活していてはおよそ考えられない事実が次々と知らされ、とても勉強させられた。

また、被害は動物以外にも植物や川、海、土壌、地下水まで及ぶとされる。

しかし、それらの悲劇を生んでもその時のアメリカ各州ではたいして対策が取られていたわけではなく、予算の面においても殺虫剤に関しては企業の支援があるのに対して、被害のチェックは研究者の半分ボランティアのような対応であったという。

現場の人たちは生活が懸かっているため利益がないと行動が起こしにくいことは仕方がないことでもあるが、レイチェル・カーソンはこれを行動に起こし、自身のガンと闘いながらも「沈黙の春」を書き上げた。

 

これを読んで、私は目に見えない大きさの物質が体にどんな影響があるか、物質を作り出している人たちも正確には把握しきれていないということを教えられた。

すぐには影響がなくとも、世代をまたいでから影響があるかもしれないとされれば、即座に研究結果を知ることも難しいし、今の世の中はそういう物質があふれている。

自分ができることとしてはひとまず、むやみやたらに殺虫剤や除草剤などを使用しないように意識することだと感じた。

 

作中では利益を追求する化学薬品会社がよく批判されていたが、お金が絡む(生活が絡む)ということが人のモラルの価値観を曇らせるということはいつの時代においても共通するであろうと思う。

しかし、ある程度生活に困らない水準に多くの人たちの生活水準を引き上げることが実現できた現代においては、法などに規定されずともモラルを持った行動が行えるようになりたいと感じた。

 

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